ボケ(八重咲き) ― 2020/04/28 15:06
今年も庭のボケの花は、華やかに咲いて散りました。
ボケにもいろいろな品種がありますが、八重の大きな赤い花は遠くからでもよく目立っているらしく、きっと足を止めて眺める人の目の保養になっていることと思います。
同じ赤でも、日の出を思わせるような赤……。
このボケの木、わけあって正確な品種名がわかりません。
(たぶん世界一という品種と思われます)
もう何年も前のことになりますが、うちの庭と地続きの、狭い国有地(鬱蒼となっていた)を手入れしたときに、捨てられていた大きな植木鉢を3鉢拾いまして、そのなかのひとつがこの写真のボケでした。どれくらいの期間、放置されていたのか不明でしたが、発見当初は植木鉢の中のボケと地面が斜めに合体してつながった状態でしたので、掘り起こしてレスキューというよりも、“引き抜き、引き裂いて、引き剥がす”という具合にボケに猛アッタクかけている感じでした。
なので、傷ついた根っこがダメージから回復するかどうか謎で、とりあえずペール缶に作った消毒液に漬けてしばらく養生した後に、ダメもとで移植をした…というのがことの顛末です。
ちなみに打ち捨てられていたほかの2つの植木鉢は、それぞれヒメシャラとカポックでした。どれもプラスチックの大鉢に植えられていたので、ノコギリでギコギコと鉢を切断しながらのレスキュー……それはもうゼーゼー大変でございました。
3鉢とも、隣り近所に持ち主は見当たらず、道路を走る車の荷台から植木鉢が転がり落ちてしまったのか? 大雨のときに土砂と一緒に流れ込んできたのか? その当時鬱蒼としたヤブだった為に捨てられてしまったのか……? 謎のまま。
✳︎すでに枯死寸前だったヒメシャラはその後枯死、弱って変色していたカポックは再生させてから人に譲りました。
話をボケに戻しましょう。
すでにシーズンが終了して今はポソポソとしぼみかけの花が枝に残っている状態ですが、
毎年春になると、明るく大きな八重の花をたくさん咲かせて、なかなかの華やかさです。
枝が広がって邪魔になれば、剪定でスッキリさせられますし、樹木は地植えにすると手入れが大変というイメージがありますが、ボケはどちらかといえば扱いやすい木ですね。
ということで、その昔、人知れず捨てられていたボケを、植え直して再生させたわけですが、「自分だったら選ばないし買わないだろう」と思われる樹木や草花をこうして縁あって育ててみると、いい具合に予想を裏切られて良い経験ができますね。
このボケとの出会いのおかげで、ときどき「こういう花もあんがい育ててみたら面白いかも」というふうに、冒険心がわくのですよね。
じっさい“好み”に偏り過ぎると、庭は似たような雰囲気の花ばかりになりますし、そもそも安全パイばかり振っていると、驚きや発見がなくて損なのかもしれませんね。
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