長老ウサギ大往生しました2023/09/15 13:54

うさぎのフィー君(ミッフィ〜)が天国へ行きました。

お盆のさなかのことでした。

12年と5ヶ月生きました。

とても小さな体の持ち主だったので、大変な長生きをしたのではないかと思います。

その小ささも相まったかも知れませんが、老いてウサ爺となっても、飼い主の心の中では、いつまでも子うさぎのままな部分がたくさんありました。

 


一応、以前も掲載したことのある、体の大きさ比較の写真を1枚載せておきましょう。(350ccのペットボトルです)

体重は、生涯を通して最小620〜最大780グラム、子うさぎ体型のままでした。

前回の記事(1月頃)にも書いていますが、晩年は白内障が進行して両目とも見えなくなったので、目の瞳孔の部分が白いです。


 

8月半ばから悲しみが続いていたせいか、話題にできず、今になってやっと記事にしようと・・・それでもやっぱり、まだまだ悲しいかな。

「いなくなってからの時間が増えてゆくだけになってしまった」そう思うと、生きている間にどれだけたくさんの思いが傾けられるかが大事で、それがもう、これからはできないわけで、「さて、どれだけできたのだろうか?」と、時々淡い感傷に襲われています。

今のところは、まだ、一緒にいた時間の方が長いわけで、それでどうしようもない気持ちになるのでしょうね。

 

 

次また、新しくウサ家族を……という考えは、今は消えています。

私・飼い主もそれなりの年齢で、今後、10年を超えそうな動物の家族を新たに迎えることに躊躇しているところです。

もし、フィー君のように、10年を超えるような長生きをするうさぎと出会った場合、お世話が続けられるかどうか微妙。

と言うことで、”年齢を経た保護ウサギを迎える”ということがない限り、フィー君は人生の最後のうさぎになりそうです。



 

フィー君の様子については、今年の始めに更新したきりでした。

その後、調子のいい期間と何となく不調な感じのする期間を繰り返しながらも、どちらかといえば元気に毎日を過ごしていました。

斜頸の症状の進み具合も極端ではなかったので、少々不自由になったとはいえ、ピョンピョン右回りに回りながら前進していました。


ただ、春頃に、免疫力が落ちはじめたのかな?という兆し……元々持っていた鼻炎が頻繁にではじめました。これまでは年に数回症状が出る程度の持病でしたが、今度ばかりは、ダラダラと出たり引っ込んだりが続いて、気づくとずっと症状が出たままになり……最終的にはそれが悪化したまま逝ってしまった感じです。


 とはいえ、今年の6月〜7月は珍しく好調で、その2ヶ月間は久ぶりに獣医通いもお休みできた程ほどの元気ぶり。

確かに、この頃には強制給餌だけでは済まなくなっていて、汚れっぱなしになってしまった体のケアも怠れなくなってはいましたが、汚れた顔やお尻をドライシャンプーや被毛ケアキットでキレイにすると、気持ちよさそうにしていましたし、給餌も喜んでもぐもぐ食べていました。

それに、時々美味しいピューレがシリンジ(注射器)から出てくると、老いて足取りがヨボヨボフラフラしながらでも、嬉しそうにフリフリダンスを踊ろうとするくらいに元気。

なので6〜7月は、今思えば、まるで人や動物が亡くなる前に時々ある、“なかなおり” が長めの期間続いたかのようでした。

「このまま元気になる」なんてことはないとわかっていても、ふいに明るさと表情を取り戻すようなことがあると、病気とか老いとか、忘れてしまいますよね。

自力で食べるペレットの量が増えただけで嬉しかったな〜。(7月始めの頃)



なので7月の後半にガクッと調子が急降下した時は、悔しさを感じました。



8月始めの頃。まだ元気さを保っていたものの、それまであった覇気のようなものが弱まったような感じがして、そっと刺激しないように写真を撮りました。これが撮りおさめになりました。

 

結局、そこからの悪化はスピーディーで、毎日欠かせない強制給餌や体毛の掃除も困難になり始めました。

こちらからの接触(刺激)に対して、激しいてんかん風の発作のようなものを起こすようになったのですよネ。

それでも、はじめのうちは大好きな耳マッサージをすると、発作で暴れていても「耳マッサージは気持ちいい〜」と言うふうに脳の中の何かが切り替わるらしく、それで誤作動のような発作を何とかごまかせていたりもしました。

ですが、残念ながら発作風の症状が激しくなっていくばかりで、いきなりすっ飛んで顔や目や頭をひどく打ち付けるようになりました。


一応、獣医さんの見立てでは、高齢で持病が悪化(鼻炎/パスツレラ)ということでした。元々パスツレラを保有しているウサギの割り合いは高いのだそうで、(ほとんどのウサギに当てはまるくらいに)それが病気や高齢で免疫力が低下すると、悪化して肺の中で膿となって溜まったり、脳に膿となって溜まる例もあって、フィー君にもそれが考えられるとのことでした。

 

印象としては、最終的には脳に異変が起きたような感じでした。

亡くなる前日も、お世話中に発作のような症状を起こして呼吸が苦しくなってしまったのですが、その時も、「オレに息させろっ、ガウウゥ」みたいに、まるでいつもの文句をいっている時の鳴き方で、苦情を言っていました。苦しい状況とはいえ、性格的なところは相変わらずだなと思いつつも、生きようと頑張っているのを支えるのが精一杯で、大変もどかしかったです。


最後の朝、いつものように世話をして、いつもの時間を過ごしているうちに、逝ってしまいました。



卯年に生まれて卯年に他界、12年5ヶ月は長生きでした。


今年3回忌を迎えた亡父も卯年生まれで、私が幼少の頃から「ぬいぐるみといえばウサギだろう」みたいな、謎の“うさ活”に励むオヤジでしたが、その記憶も不意に甦ってきたせいか、この数年で次々とウサギが空に昇っていっちゃったな、と呟いてしまいました。



このブログは、コロナの途中くらいから更新が減ってしまって、すっかり我が家の動物たちの様子を語ることが減っていました。

けれども、その間もみんな元気に過ごしていて、ある時は新参者がやってきたり、ある時はあの世へ去るものがあったりで、相変わらずの毎日を送っておりました。

うさぎのフィー君についても、これまでずっと関心を持ってブログに様子を見にきてくださった方々に、「お世話になりました」とお礼を言わせていただきたいと思います。

 



〜飼いうさぎについて知りたい方へ〜(私見ですが参考にどうぞ)

・うさぎは(も)それなりにお世話に労力がかかります。

・足元のゴミを毎日掃除しなければ匂いがします。

・まめにブラッシングという方法で適度にグルーミングのお手伝いをしてあげなければ換毛期に腹痛や食欲不振で獣医行きになることもあります。

・牧草を食べてもらわなければ奥歯の健康が保てないので、好んで食べてくれる牧草探しをするのはそれなりに大変です。(見つけてしまうとラクなのですが)

・男の子であればスプレー行為がありますので、去勢をしないのであればケージに工夫を凝らす必要があります。

我が家のウサギは9歳までボコボコと跳ね、シュバシュバっと回転ダッシュしていました。小さな体の子でしたが、それでも素晴らしい脚力でダッシュ&ジャンプ、ジャージャーガタガタとステンレスのケージが振動するので、はしゃいでいる時間帯はけっこう賑やかでした。このように、活発な時期にヤンチャな性格の子はうるさいです。どのような動物にも個性があることをお忘れなく。

・うっかりしていると噛まれて大流血することもあります。(指を餌と間違えられたりケージ荒らしと誤認されたり)

・身近にいるウサギを育てている方々からの話でも、大体8年〜10年くらい生きているようです。獣医さん曰く15年生きた子もいたそうです。ウサギを育てる側の人間も、ウサギが生きている10年の間にはいろんなことがあるはずです。逆に10年何も変化がないなんてサザエさん家のメンバーくらいなもので、それをわかった上で、完璧な世話にこだわるのではなく、つねに最善を尽くすという心がけでお世話する姿勢が大切だと思います。

・晩年は、こまごまと補助や手あてのために通院する必要がありました。良心的な診療費でしたが、こまごまでも出てゆく回数が多くなる時もあるわけで、心に財布に最低限のユトリを持つ必要があります。

・長生きしてくれると嬉しいものですが、老齢のケアはいつまで続くのかわからないところがあります。掃除といった日常の世話に加えて、給餌をしたり体をキレイにしたりといった基本的な世話が毎日続くことになります。ここでも心にヨユウを持つことが必要になります。


ウサギ用のヨユウ・・・大らかさ、落ち着き、愛情深さ、精神力、ウサギ用の経済力、ウサギ用の時間、などなど〜。


 


以下は、愛兎を褒めまくって締めくくります。

・うさぎの表現方法の一つに “鳴く”というのがあって、これがとても愛嬌があって病みつきになります。毎日ご飯の時間にご飯(ペレット)の音を立てながら器にペレットを入れてあげると、「バウッ」と嬉しそうに鳴いて首をフリフリしながら巣箱を出たり入ったりして、で、ガツガツペレットを食べていました。これは、牧草を食べられなくなって、全体の食事量が落ちてしまう前まで続いた朝晩の日課でした。

・給水器から水を飲む時の姿がかわいい、いろんな動物の中でも“飲み方一番”だと思います。

・首をふりふり、お尻をふりふり、嬉しい時やはしゃいでいる時のダンスのような動きがメルヘン過ぎました。元々うさぎを育ててみようと思ったキッカケの一つが、この嬉しい時の頭フリフリ、後ろ足ヒラヒラ。ある所に住んでいた時に、夕暮れ時になると巣穴から出てきた小型種の兎が2〜3匹で楽しげに踊り跳ねる様子をたびたび見る機会があって、それが大変素晴らしかったのですよね。嬉しい楽しいと表現しているうさぎの姿は見ていて癒されます。

・人の言葉をウサギなりに覚えるのもいいですね。我が家のウサギは「ミッフィ〜→ご飯のこと」「かわいい→オレのこと」というふうに名前と褒め言葉をちゃんと(?)覚えましたし、「まぁ〜(まぁステキとかまぁカワイイとかのまぁ」と言われると、喜びの首フリフリではしゃいでいました。

・室内を散歩中に、愛兎が頭フリフリ・後ろ足ヒラヒラ をすると、愛猫もそれを真似ようとして…、それにウサギもまたこたえるように跳ね踊る…あまり接点のない2匹の間でも、“楽しい”の表現だけは通じていたみたいで、そんな平和な様子にも癒されました。愛兎は怒りん坊でしたが、猫にイカリをあらわにしたことはありませんでした。ウサギと猫は、案外ほどよい距離感を築ける間柄かも知れません。(チンチラネズミのジズーは頻繁に猫に文句垂れていますが…)

 

 

 

〜最後に〜

2017年の秋、換毛が始まろうとする頃の様子で締めくくりましょう。

眠たい時間にケージの側を通りかかった時に撮影しました。

くつろいでいる様子がいいですね。

鼻の上の逆V字模様や目の下のモッサ〜とした毛は、これから抜けようとする毛がそこにあるというサイン。換毛というイベントはヒトもウサギもひと仕事。

ウサギの毛は柔らかくて、フワフワ待って、まとわりつく……懐かしいな。



12年近く使って、すっかりボロボロになったファーミネーターは、よく見ると持ち手がオンボロになっていました。さすがに使い回しは不可だな。


ケージやグッズの後片付けしていた時、長年使っていたブラシ類や毛布、うさ用の器具に、フィー君の毛が思ったよりもたくさんついていました。

庭でパタパタしたら、それらが風に乗って飛んで行きました。

ウサギ、庭にな〜れ〜。



ではミッフィー君、次は虹の橋で。