庭のエゴノキ/地植えと鉢植えと2020/08/31 14:37

今日で8月も終わりですね。1年は残り3カ月になりました。

8月に入ると沿道の桜の木が葉を落とし始めて、いつものお掃除隊が掃き掃除を開始するので、どんなに暑くても「また落葉が始まったのだなぁ」と秋を意識せずにはいられません。

そうこうするうちに9月。あともう少しで、秋らしい涼しいさも感じられるようになるはずです。


そんな今日は、庭のエゴノキを巡るお話をいたします。

鉢植えのエゴノキと庭木と化したエゴノキのことについて、です。

 

もともと庭で育てていたエゴノキは株立ちで、コンパクトに育てたかったので鉢植えで管理していました。

なので木の高さはほぼず〜っと130センチ程度に収まっていて、毎年ちょこっと花が咲いて、チビっと実がなって、冬には少なめの小ぶりな葉っぱが落葉して・・・といった具合に地味な1年を繰り返していました。

参考までに、鉢植えのエゴノキの今年の花の様子がこちら。

ハナバチ(怖くないハチで花にも自然界にも欠かせない)がやってきて木の周囲が賑やかになるので、花の時期はもっとも楽しい季節。

鉢植えで株立ちのエゴノキは、すらっと枝が細くて枝数も少なく、葉っぱも小ぶりで華奢。なので、まさかそのひ弱そうな鉢植えのエゴノキの実が、野生動物の手によって庭の方々へ移動していって、そこここからボコボコ芽吹くとなどは考えておりませんでした。


それに「実がエグく、それを食べる生きものも少ない」という木の命名のくだりを信じていたので、種から芽吹く可能性は低そうな……ところが、どうやらこの考えは誤っていたようでした。

 

というわけで、何年か前に、一見すると素敵な感じがする何かの苗木が、庭のあちらこちらから集中的にニョキニョキと生えてきたことがありました。

あるものは植木鉢の中から、あるものは庭の地べたから・・・。

木の先生に写真を見せて、何の木の苗木なのか尋ねると、「苗木の間は判別が難しい木もあるのだよ〜、生き残るために戦略的に葉っぱの形を変えていたりしてね〜云々」と教えていただいて、なので最終的に何に育つのかはオタノシミということで、ワクワクしながら成長を待っておりました。

こちらの写真が木の先生に見せたものの一つ。

先生からは、一応「アブラチャンの苗木かも知れないけれど言い切れない」と言われておりました。実際に「アブラチャンかも?」と思っていた頃の葉っぱの様子や雰囲気、今ではすっかり変化しています。

 

この”アブラチャンもどき”として地面から生えてきた苗木は、年々すくすくと、わりと早めに成長して、みるみるうちに“いい感じの枝ぶり”になってゆく様子を見ることができました。成長途中の自然樹形が美しかったので、夢を見たわけですね・・・「この〜木なんの木〜♪」と期待感を倍増させるにいたりました。


で、庭の方々でこの苗木を発見してから5年ほどたったでしょうか?ついに今年になって、”アブラチャンもどき”の中でも、もっとも成長した木に初めて花が咲きました。

言い換えると、花が咲くまでに木が成長したところで、やっとこの木が何の木なのかわかったわけですね。


花を見てぽそっとつぶやきました〜「エゴノキだったのか」と。


当たり前ですが、鉢植えの小さなエゴノキに比べると、頭上で、スラ〜っと放射状に伸びる枝に鈴なりに咲く花は見事。

花にはハナバチが次々とやって来て、木全体が季節らしい楽しげな雰囲気に包まれました。


この木については、鉢植えで株立ちのものについてしか知らなかったし、近隣の公園にあるエゴノキは刈り込まれてズングリムックリとしているし、なので「この木は雑木で自然樹形が美しい」ということを心底から実感しました。

のびのびと育てられる広い庭であれば、自然樹形で雰囲気と見栄えの良さを楽しむのがいいはず。

余談ですが、ウチの庭は狭いうえに狭い場所から生えてきたので、なるべく樹形を崩さないようにしながら枝を間引いたり、家屋にぶつかる枝を切ったりしています。

それでも枝ぶりがイイな〜と思うほど。自然ならもっとキレイでしょうね。

こちらは花の終わり頃の様子で・・・


雨の季節の頃に実がなりました。爽やかな光景です。


このエグいと言われている木の実は、案外すすんで食べる生きものがいたようで、人間界の青汁みたいなものなのかも知れません。

ちなみに、この若い実を毎朝食べ散らかしていたのはリスでした。たくさんあることだし、残さず食い散らかしてくれてOK。

たまたまカタツムリが休んでいたので1枚(梅雨の頃)


ともあれ、なんらかの野生動物によってこの木のタネを撒き散らされたわけですが、その中でも、庭の西側に並ぶように生えてきた数本のエゴノキは、すでに1階の窓から差し込む西日を遮る木になっています。

なので、今のところ重宝だな〜と喜んでいるところ。

ただ、最終的にどのくらい大きくなるのか?7〜8メートル程度でおさまるなら問題ありませんが、10メートルを超えて伸びるとなると管理を続けるのは無理かもしれません。


生えている環境に左右される部分もあると思うので、あと何年か経ってみないとわかりませんが。


木の根元に積もるように転がっている、食べ散らかされた実の残骸。手前の木がエゴノキの幹で、つるんとした木肌が代表的な特徴のひとつらしいのですが、コンパクト造りの鉢植えではそこまで実感できませんでした・・・。
まぁ、もし途中で木の種類がわかっていたら、教科書を読んだだけでエゴノキについて全てをわかった気になって、「高木になるかも?枝が広がって邪魔な木になるかも?もう鉢植えがあるからいらないや」・・・という理由で、引き抜いていたかもしれません。
結果的に、わからないことがわからないままになっていたおかげで、良い経験ができたうえにトクをしたと思います。

それにしても、花のすぐ後になった実は、リスにとっては青い頃が食べごろだったようで、今は枯れたガラがゴロゴロと地面にあるだけ、
木に残っているわずかな実を食べにくるものはありません。
食べガラに混じって、キセルガイの渦巻きの貝ガラも転がっていますね? 夏の終わり頃の地面には、いろんな生きものが生きたアトをたくさん見つけられて、そこにも秋の気配を感じます。

今現在(8月末)の、鉢植えのエゴノキの葉の様子。


同じく今現在の、断りもなく庭木デビューしたエゴノキの葉の様子。


この2枚の葉っぱの写真を見て「両方ともエゴノキだ」と気づくことができるのは、植木やら樹木やらのプロです、きっと。


今回のお話の締めくくりの写真は、鉢植えのエゴノキに取り残されているエゴの実。

食べるにはすでに旬が過ぎていて、ついばむものがいないのでしょうか。

このまま秋を迎えようとしているこの実は、芽吹く気満々だったりしてね・・・庭がエゴノキ満載になるのもなんなので、落ちる前につみとってしまいましょう。


そろそろ方々で実がなる季節になりました。

景色全体が秋の色になるのが待ち通しいですね。

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