狩ったり狩られたり2017/10/05 20:29

ジョウロに水を入れようと小鳥の蛇口に手を伸ばすと、その蛇口の上にカマキリが乗っかていて“おっとビックリ”

蛇口をひねる前に目を水栓の方に向けておいてよかったです。

(わき見をしたままだったらカマキリごと小鳥の蛇口ひねっていたかも)

人の手が伸びてきたら逃げくらいの気構えがないと、いろんな意味で危ないじゃないかっっっとカマキリに苦言したくもなりました。

この人間に対する警戒心の極端な失い方は、ほぼ毎日のように視線を交わし合い、頻繁にカメラを向け続けた結果でしょうか。

以前は、カメラを向けると逃げかけていたのですけれどね。

 

ある時からずーっと、この水栓の周囲に陣取っていて、目で探せばすぐに見つけられるほどの身近さです。

毎年、この近辺に居座るカマキリが1〜2匹はいるので、よくみた光景といえばそうですが、最高の狩場で繰り広げられる光景はそれなりに刺激的で、”見たら危険” 指定が必要。

おかげで、この近辺でたびたびバッタを食べる姿を目撃いたしました。


ある時は、小鳥の水栓の真上の壁の上で、オスのオンブバッタがこのカマキリにロックオンされて、カマッッッとやられるところまで見たことも。

さすがにこの時ばかりは、バッタを助けようか、やめておこうか、一瞬迷ってしまいましたが自然界の営みに手出しは無用と思い直したのでございます。

 

そんな健康的で元気いっぱいのカマキリばかりを日々見ていたせいか、今朝、不思議なカマキリに出くわした時は、その変わった様子に思わず興味をひかれてしまいました。


ちなみに庭にカマキリが出没する場所は、他にもう1箇所あるのですが、遭遇する割り合いが低くて、種類のカマキリが入り混じっていたので、途中からノーマークになっていました。


そのノーマーク側に久々に現れたカマキリ・・・金網でフタをされた水瓶の水にひたすら見入っていて、時々、水中で泳ぎ回る小魚に合わせて頭を動かしてもいました。

 

その様子は珍しくて、一見かわいくもありましたが、明らかにカマキリらしくありません。

こちらがその様子。ただただ水に見入っています。

背中に痛々しい感じの怪我を負っていて、しかも傷は古くて周辺が問題を起こしているようでしたので、見た目よりも弱っているのではないかと思います。

 

水中の小魚が見えなくなっても、恋しそうに水を見つめていて、いつ鳥に襲われてもおかしくないほどの無防備さがまた不思議。

 

昔ビクターのロゴで、蓄音機の前で死んだ飼い主の声に耳を傾ける犬の構図がありましたが、首の傾け方がそれにとても似ていて “切ない” ような “かわいい” ような、ついこちらまでつり込まれてしまいそうになるほどです。(「え?水?」→ 一緒に覗き込む、みたいな)

それとも、水に映る自分に見とれて落水、泳げないと知ったときにはすでに遅すぎた、ギリシャ神話のナルキッソス似か?

 

すぐ目の前に水があるのに、金網のフタの前になすすべがなく・・・水をくれ〜。

・・ということで、これは間違いなくカマキリの体内にハリガネムシ(寄生虫)がいるのでしょうね、カマキリが狩られる側になってしまいました

 

水に吸い込まれそうな歩き方とでもいいましょうか、水に入りたくて仕方がない感じが少々哀れでもありましたが、ダメですっっっ、寄生虫込み込みダイブはお断りっっっ。

 ただ、久しぶりに寄生虫の存在を身近に感じたから、目黒の寄生虫館を思い出し・・・でもって、「ハリガネムシは標本でも見たくない部類だよなぁ」と改めて再認識いたしました。

(ハリガネムシをよく知らない方は、このまま知らないままがいいかも)

 

結局、水にうっとりと見入る ”カマキリならざるカマキリ” は、忽然と姿を消しました。

(水瓶の中には落ちていないし、水には決して届かない)