時間が好物/ハイノキ2015/04/28 12:44

ハイノキの花が咲いています。
今ほぼ満開になっていて、小さな白いフワフワの花は、ぱっと見るとたくさんのボンボンが集まっているように見えて、人の目を引いています。

繊細な葉は常緑で、枝も優しくしなやかですので、好みもあると思いますが、ハイノキは “株立ち” だと風情があっていいですね。
楚々とした、おしとやかな木で、人の目につく場所にあってもちっとも主張しないので、玄関の真ん前に陣取っています。
(半日陰/暖地)

そもそもこの木は、ゆーっくりと成長する木なのだそう。
大して枝も伸びませんので、これまでのところ枯れた枝をちょこっと切ったくらいで、剪定らしい剪定をしたことがありません。

花が咲く時以外は、いつ見ても変わりない、とても静かな木。
大してかわりばがしない、といえば、そうかも知れませんが、若い木で購入して以来、大して伸びず、ずっと若いままなのです。

ところで、我が家の超級に狭い庭には、高木は無理で、木を選ぶ時には中高木までと決めているのですが、このハイノキはそれなりに大きくなる木なのだそうです。

なのに、どうして高木を選んだのかというと、この木の成長するスピードと、植える場所の両方をあわせてみても、後々、巨木になって手に負えないような事態にならないよ、と植木屋さんに教えてもらったからでした。
……人間一人が生きている間に、悩むような事態にはならないということで。

ハイノキが成長するのに、時間をたっぷり必要とするということは、かなり長生きをする木ってことなのかな。
それが本当なら、神社の大木みたいに、いつかしめ縄を巻いてもらえそうな、深い森の中の時間が流れている木ですね。

いつかこの木が高木になって、充実している姿を見ることができるのは、数世代あとの住人。
樹齢が100年、200年と超えてくると、木に精霊が宿る〜なんていいますが、なるほどね、ただのおとぎ話だとしても、このハイノキに何かが宿ったらしき姿を見るには、百年千年の単位で木を守らないといけないのですね。

そんなに時間をたっぷり食べるのなら、緩効性の置き肥として時計でも置いておかねば、途中で、気の短い誰かに伐採されそうだぁ。

話ついでに、我が家の庭の中央には、ハイノキとはまったく正反対の性質で、大暴れをする木「ロシアンオリーブの木」が植わっています。
(数日前の記事をどうぞ)
四方八方伸びまくって、樹形も整えにくい、暴れん坊のロシアンオリーブが冒険をする木なら、もの静かで手のかからないハイノキは休ませてもらう木。
極端に対照的な木があると、それだけで楽しめますね。