みのむし2014/12/03 13:11

ミノムシです。
昔はどこにでもミノムシがいましたが、いつの間にか、見かけなくなった生きものの仲間に加えられているようですね。

まだミノムシがいっぱいいた頃は、木の下にいると、つ・つ・つ、と糸を伸ばしながらミノムシが降りてきて、えっこらえっこら糸をたぐってまた上に戻っていこうとする、そんな様子をよく見かけていましたっけ。
「この虫は上がったり下がったり、そればかりしている虫なんだ」と、子どもの時分に思ったこともありました。

ミノムシが中から顔を出しているときにミノごとつかまえると、虫は中に引っ込んで当分出てこなくなりますから、子どものとき、待ちくたびれてミノを裂いてしまおうとしたことがありました。

このミノが、子どもを油断させる柔らかさでしたから、裂こうとしてはじめて、そうとうな弾力と強度があるとわかって、いらだったことも覚えています。何度か挑戦して、一度もミノを破れず、はがみをしつつ諦めた記憶が。

柔らかいのに裂くことができない、不思議な素材でミノはできていました。

なので、冬になって寒々しくなった木々に、ぶらぶら下がっているミノムシたちは、実は「中で暖かくしているんだ」とも思っていました。
ミノムシに挑んで負けたうえに、冬でもミノの中でぬくかろうミノムシの様子を思うと、子どものくせに敗北感を感じておりましたっけ。

今は、ミノムシのミノを裂くようなことはしませんし、絶滅の心配がされているようですから、ますます、余計な手は加えられません。が、どうなのでしょう? ミノムシのミノは、子どもだから裂くことができなかったのでしょうか?

・・・と疑問に思いまして、軽くリサーチしてみましたら、本当にかなりの強度があるようですよ。

子どもが、ミノムシの全貌を見たくてミノを破ろうともがいても、ムリだったということで正解。

話しのついでで、子ども時代にミノムシにこだわった理由をひとつ。
小さい頃、始めてミノムシという虫を認識したとき、それが空から目の前に降りてきたものですから、魔法がかった虫に見えたのです。
最初の印象が影響したせいか、糸があって、木にぶらさがっていることがわかっても、宙に降りてきてゆらゆらしている姿が神秘的に見えていました。

子どもの目線だと、まわりが大きく見えて物事の全貌がつかめませんから、夢中になれることがたくさんあるのでしょうね。

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