水の中は秋たけなわ/カゲロウ ― 2015/11/09 18:26
冷えたり生暖かくなったりと、気温の落差が極端になっている中でも、屋外の水槽の魚たち、特に稚魚は、メキメキと成長を続けている様子。
いよいよ水が冷たくなって、越冬モードに入る前までに、できる限り大きくなっておく方が、安心と言えば安心ですものね。
近辺の河川でも、「11月いっぱいあたりでサナギになる水生昆虫が多くいる」、そう専門家の方々に教えてもらいました。
(カゲロウやカワゲラなど)
なるほど、水が冷え切る前にサナギになっておけば、ヨロイ風の頑丈寝袋の中で、寝ながら春を迎えることができそうです。
と、いかにも楽チンそうな話しですが、サナギの中だって色々あるんだぞと、昆虫記で読んだ覚えがございます。
このあたりはSFの物語なんかで、宇宙船でのワープ中に、冷凍カプセルの周辺ですったもんだが発生するアレに似ていますね? 中身の人間危うし&任務遂行不能の危機、という話の題材は、サナギや棺桶内のツタンカーメンを思い出させます。
(ちなみにツタンカーメンは任務中に何かあった組→今のところ行ったきりだから)
さて、10月の半ば頃に、川のきれい度を知るには? というタイトルで、水生昆虫のお話をいたしました。
(ボランティアで河川の水質の指標となる生きものを採集&調査するお話)
先週末、あと少しだけ残っていた標本をチェックして、水中の生きものの同定を全てやり終えたのですが、その時に、不思議な写真が撮れたので載せてみました。
この写真・・・自宅用に貸し出してもらった、簡易型の実体顕微鏡を通して撮った、ヒラタカゲロウの仲間の幼虫。
まずはこれ、シッポ付近です。
体のフチについている、水玉模様の大きなフリルのような1枚1枚が、エラにあたります。
前回の、科学館の立派な実体顕微鏡で撮った、一発で全体像がわかる写真に比べると、こちらは倍率と光の都合で、ノスタルジックな感じになりました。
見えにくいわけではなくて、たんに倍率が違うだけの話で、しかも、顕微鏡へのイメージが変わるくらい扱いやすくて値段もお手頃、“メガ級の虫めがね”という感じです。
(ファー◯ルという商品名)
次に・・・虫が苦手な方は、この辺で逃げてくださいな。
下の写真は背中の部分で、外側のフリルのような縁取りは、先と同じくエラの続き。
そう考えると、本体になる部分は思ったよりも細くて少ないような気がしてきます。
水で生きるためのツールが、やたら立派で凝っているのを見ると、少なくとも、蝶々の幼虫(イモムシ)時代よりは、華があるなと感じてしまいました。
いずれ、この水玉のフリフリを全部捨てて、カゲロウだけに短い命を持つ成虫に・・・水から出たら、すぐおしまいになるのですね・・・。
で、一番下の写真は、クリクリ目玉がついた頭の部分。
なんだろう、このいい具合に脱力感を誘う、平たい感じ。
(成虫のほうが顔はもう少しシャープかも)
顕微鏡の影響もあると思いますが、全体にアンティーク模様がほどこされたこの幼虫を見ていると、その昔、生きものを閉じ込めて石になった”アンバー(琥珀こはく)”のことを、ふと思い出しました。
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