バラの葉に不思議な球体が2016/05/20 18:13

寒暖差があるせいか、朝晩が肌寒く感じられます。

今日は少し曇り気味の一日で、夕方近くにサラサラと吹き始めた頃から、空が晴れて明るくなりました。

夕方の庭をくるりと見回ってみると、ヘンリーヅタが心地よさそうに葉を広げて、青花のゲラニウムと一緒にサワサワ揺れていたので、涼しげな様子を写真に撮り・・・。

その時、すぐ真横に植えられているコーネリア(つるバラ)の枝も、風でユラユラ・・・ふいに、バラの葉の裏に、見たことのない物体がチラチラと見えて、ちょっとギクリとしました。

おそるおそる葉っぱを裏返すと、怪しげで可愛くもある、神秘的な物体が付着していました。

一瞬、「木イチゴはバラ科だし、このバラの木はワケあって、己の葉を使って木イチゴ作りでもはじめたのだろうか」と頭をかしげてしまいました。

疑惑でいっぱいのまま、木イチゴ玉を写真に撮ろうとすると、今度は1輪だけ残っていたコーネリアの花の中に、ジガバチを半分にしたような小さなハチを発見。(5ミリ程度の大きさ)

なんとか写真に撮れないかと、ジガバチ風のハチにピントを合わせてみるものの、手持ちのカメラの性能では対応できずにアタフタ。

そうこうするうちに、小さなジガバチ風のハチは飛び去っていきました。

*ジガバチ/寄生蜂/22.5センチぐらい

*蝶々を愛でる本ではよく残酷なプレデターとして登場

*ファーブル昆虫記では笑えるジガバチの話もあったような・・・

 

さっそく変な球をこさえた葉っぱを切り取り、図鑑やネット検索で調べてみると、この玉はバラハタマフシという “虫こぶ” でした。でもって、この中にバラハタマバチという体長3ミリになるハチの幼虫が住んでいるのだそう。

しかも、このバラハタマバチは、ノイバラによくこの “Bee球” を作るとのこと。

それならと、地続きの国有地側に自生中のノイバラを、2本ともチェックしてみました。

きっとノイバラになら、この幼虫ドームがズラズラとあるはず・・・なのに、肝心のノイバラに虫こぶはひとつもありませんでした。

タマバチよ、 “幼虫球” の養殖活動はノイバラの方でやってはくれまいか・・・。

 

この幼虫球の、バラの木に与える影響力のほどはさておき、植物に寄生する虫となれば、親蜂を虫忌避剤の散布対象にノミネートせねばなりません。

今後、大事なバラの木が、よほど “虫こぶ” でいっぱいになるようだったら、その時は対策を強化いたしましょう。

 

さて、一番大きな虫こぶを、プラモ用のカミソリで割ってみました。(直径5ミリ程)

中はまん丸の空洞になっていて、そこから細くて白い、線虫みたいな体つきのミクロサイズの幼虫が、1匹這い出してきました。

スタコラサッサと移動する速度はなかなかのハイ・スピード。

それにしても、各球のサイズの違いは何を意味しているのでしょう? 中の幼虫が大きくなるにつれて、コブも大きくなる? 芥子粒のように超・極小球もあれば、直径5ミリに膨らんだBIG球もあるので、幼虫の成長に合わせて虫こぶも膨らむのかも〜。


ところで、写真の割った球体の下にくっついているのは、虫こぶを葉から外すときにちぎれた葉っぱの断片です。

この球が葉の一部と化して、ちゃっかり養分をもらっていることを、葉っぱから取り外すときに実感しました。(もっと簡単にポロっと取れると予想していたので)


今回、虫こぶをこさえる羽目になったコーネリアは、建物と周囲に植えられている木や草花の兼ね合いで、雨が当たりにくい場所に植えられています。

その影響で、良くも悪くも他のバラより虫忌避剤の散布の間隔があきがちで、忘れやすくもなっていました。それでこのバラだけ虫の寄生を受けたのでしょうね。

ニームの散布、徹底したいと思います。