水の中にいた生きものたち ― 2017/09/12 19:16
今日は、先日の調査で採集された水の中の生きものたちのことを少しだけお話ししたいと思います。
ということで、成虫になるまで水の中で暮らす幼虫のサンプル写真をUPするわけですが、わかりやすくいえばトンボのヤゴみたいに、見慣れない姿格好をしています。(陸だとセミの幼虫みたいなもの)
彼ら幼虫系のフォルムが苦手な方は、ここで“おさらば”されますように。(また明日〜)
……ではお話しを続けましょう。
きれいな渓流では、生きものの種類は少なめです。
お魚のエサになる生きものにとってのエサ、プランクトンや藻類も少ないので、水の中を網で探っても静かな感じです。
そんな中で、サンプルになってくれた生きものたちは貴重ですので、採取した全種類をもれなくリサーチさせてもらいました。
成虫に比べると格好のつかない彼らですが、実体顕微鏡の中で見る姿は、アンバーの中に閉じ込められた太古の生きもののようでもあるので、不思議と見入ってしまいます。
そして 美しい“エラ”を持った種類のものに出会ったりすると、毎度のことだというのに、飽きもせず感動してしまいます。
透明な葉に透かし模様の葉脈が走っているようなエラ、ウロコ型をした薄いクリスタルの中でブロンズ色の糸が踊っているような模様のエラ、どのエラもそのままアクセサリーになりそうな素晴らしいつくりをしています。
でも実際のサイズはとても小さいので、小さな間口から覗き込んだ世界にだけ存在する、触れることのできない装飾品、ただひたすら見ていることしかできませんが。
って、彼らにとっては生命を維持するための器官なので、「装飾品呼ばわれされてもなぁ〜」と言いたくなるところでしょうね。

コカゲロウの仲間

モンカゲロウの仲間
成虫のほうがカワイイかな。興味があれば検索をかけて成虫の姿をみてください。

カワゲラの一種。
成虫よりは幼虫のほうが、昔の仮面ライダーの一族に仲間入りできそうなフォルムをしていてイイかも。
水の中にいた彼ら……環境アセスメント用としてとっ捕まらなければ、いつか「変っ身っ」て水から空におどりだす日が来たのでしょうにね。
成虫として飛んでいる姿では会えませんでしたが、顕微鏡ごしに水の中の様子を見せてもらえましたし、彼らを見ていると、ごく稀に近所の緑地帯を流れる小川から成虫が飛んでくる日があるのを思い出して楽しみが増えました。
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