魔風にさらわれかけて/ロシアンオリーブ ― 2015/10/02 18:06
昨夜から吹き荒れた嵐が去った今朝は、そこいらじゅうの地面や壁、塀に、砕けた枯れ葉や、ちぎれた葉っぱが、張り付くように散らかっていました。
けれど、今回の大風は、ほとんど家を揺らさない方角から吹き抜けていったらしくて、空が唸る音ばかりが凄いな〜と思いながら一夜を明かしました。
いつもなら大抵、庭で何かが倒れたり割れたりする音がして、家は風でグラグラ、ミシミシいうのに、そういったことが起きなかった今回。
なので、珍しく無事に済んだと余裕をかましていたら、残念ながら、それは甘過ぎたのでした。
以前、突風ですぐに傾く“暴れん坊ロシアンオリーブの木”を、やっとプロの方に固定してもらうことができて、台風が来てもヘッチャラ・・・とお話したことがありあした。
と書けば、もう察しがつくと思いますが、嵐が去ったあと、心の準備もなく庭に出てみれば、シンボルツリーのロシアンオリーブが斜め45度に傾いていて、こちらも倒れそうになりました。
想像以上に、爆弾低気圧の威力はすごかったらしくて、台風とはまた違った“魔風”が吹いたかのような有り様でした。
どうやら風は、木を猛スピードでグルグルと巻きながら、ある瞬間、一気に斜め上空に吸い上げるように吹いた、そんなふうに見えました。
それはもう、身も心も、目もねじれる光景で。
ふと、ロシアンオリーブは諦めるのが賢い? そう思う瞬間でもあったりして。
庭を取り囲む条件と、この頃の自然環境の変貌ぶりを思うと、無闇に自然に抵抗したり、戦いを挑むようなマネをするのは、無謀。
もっと環境に馴染む樹木を選んだ方が、ラクだし、正解なんだろうなーと、いい意味での諦め感が湧いてきたのでした。
とりあえず、あと1〜2年もすれば、若い木なりに根付くはずなので、焦らずに様子を見るつもりですが、もともと暴れる木には違いないので、あまり執着しないでおこうと思います。
それにしても、この場所に植える木は、しくじりの連続。
そろそろ“好みの木”と“植えられる木”がミスマッチを起こしているのを、無視できなくなってきたようです。
いや〜まいったなぁ・・・トホホ〜っ。
実は昨日、隣家では朝から電動ノコギリを持ち出して、「チェーンソーはね、跳ねるから危ないよ」って言いながら、ガウガウと木の枝を払っておられました。(元・本業の方)
あの用意周到ぶりを発揮するお姿に、今更ながらですが、後光がさしているのでございます。
家も庭も古くて、大木が植わっているところは、何かと大変なのでしょうね。
低木か中低木ばかりの、狭くて小さな庭ですら、こうやって手をこまねいているというのに。
ということで、魔風の置き土産で唯一、心を和まされた光景が、嵐のあとに咲いた今年一番最初のホトトギス。
1年ぶりに見る花は新鮮で、あれ? こんなに可愛いかったかな? もっと”コワ可愛い”感じと思っていたけれど?
きっと、毎年微妙に花の表情が違っていて、見る側もまた同じように、見方が違っているのでしょう。
ロシアンオリーブの一件で、うなだれる心に、瑞々しく咲く姿が沁みました。
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