ヤブコウジの季節 ― 2016/11/21 16:16
小さな赤い実の数がいつの間にか増え、葉っぱの姿形も整いだして、これからがこの植物の本番です。
本当は常緑なので葉は一年中ついているはずですが、ここの庭の、夏季の日陰環境はかなり過酷なのか、日陰のコンクリート上に置かれたヤブコウジの鉢植えは、弱る結果ダニらしき何かにやられて一度葉っぱを失います。
写真のものは、棚に並べやすいよう、小さく軽めの鉢に植えて風通しを確保したので、過ごしにくい季節になっても葉を落とすことなくずーっと茂っています。
それに、葉を落とさない状態を保てなければ、実も大してならず、楽しみが半減しますし。
そんな事情もあって、人間の小さな努力と小さな気遣いにこたえて赤い実を増量中の、可愛い盛りのヤブコウジ。
喜びもつかの間、すでに実を狙うものが出現していて、チマチマと預金を引き出すが如く実が消えていくようにもなりました。
いつものことながら、お正月までにこの実が残っていた試しがないので、遠からず赤い実はすべて消えて葉っぱだけになると思います。
ひとつ疑問なのは、ヤブコウジの実は毎年のようにトリに完食されているのに、トリの糞由来のヤブコウジがどこからも生えてきた試しがないこと。
ヤブコウジの実がなる季節になれば、種が運ばれる確率はぐっと上がるはずなのに、うちになる実は食べられるばかりで、新生ヤブコウジが思わぬ場所から出現するサプライズはありません。
そういう植物なのでしょうか。
それとも、ヤブコウジの適地になる日陰〜半日陰がコンクリートやデッキで覆われているからか。
赤い実がひとつず〜つ消えるたびに、「実を楽しみにしていたのに」という残念な気持ちがわかなくもありませんが、それを忘れさせるのが、“斑入りヤブコウジ”の存在でした。
こちらがその斑入りヤブコウジ。
一見、赤い実がついているように見えますが、その実の持ち主は背後のヤブコウジです。
少々やられている葉も混じってはいますが、「今の季節が快適です」と言わんばかりに、最近になって葉っぱが生き生きとしてきました。
実はならずとも、陰樹とは思えない甘く明るい葉っぱが目を楽しませてくれるので、やっぱり日陰にヤブコウジは必須アイテムです。
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