小網代の森/20192019/08/20 15:05

先週末、小網代の森へ行きました。

おととしはカニのダンスを見ることができましたが、昨年はカニが集まるはずの干潟が台風でダメージを受けて踊るカニを見ることはできず仕舞い。

今年はどうなっているだろうかと、猛暑の中を出かけてきました。

小網代港から森へ入る道は、水があれば岩にも地面にも溝にも、森に住むカニがいっぱい。まさにカニの森に来たって感じです。

岩の間や壁面を素早く移動する様子がすごい。8本も足があったら、足に足を引っかけてもつれそうなものですが……。

 

アカテガニの幼生


こちらも幼生かな……。


素早く逃げて隠れたこの個体はビッグサイズでした。危険が去るのを待っているカニと、出て来るのを待ちたい人間と……でもギュウギュウになって隠れる様子が気の毒なので、待たずに立ち去りました。

森で暮らすアカテガニは、産卵になると海に降りてゆく必要があるそうで、小網代の森のような森と川と海がある場所であればこそ、こうして豊かに繁栄することができるのですね。方々に当たり前のようにカニがいると、すぐその景色に慣れて貴重であることを忘れてしまいますが、実は数少ない自然環境を見ているのですよね。

……虫カゴがわりのカメラに、森のカニをたんと撮っておきました。

 

再び小網代湾が見えてきました。海が奥の方に遠のいていて、手前に干潟が広く大きく浮いています。今年の干潟がワイドサイズでしたので、カニダンスへの期待が大きく膨らみました。

 

干潟に向かう途中のところどころに群生して咲いている、ハマカンゾウ。



今夏もオレンジ色の花を見ることができました。

 

さて、踊るカニがいるところに到着。(細い竹で作られた柵の手前側から観察します)

今回は広く干潟になっていたおかげで、とてもたくさんのカニが、皆でワッセワッセとカニのダンスを踊る姿を見ることができました。

やっぱり一番目立つのはコバルトブルーのチゴガニ。このチゴガニがハサミを頭上に振り上げて体のコバルト色をMAX露出しているところを写真に撮りたい……というのに、振り上げた瞬間シュバッと一気に振り下ろすのがチゴガニの踊り方なので、振り下ろした姿ばかりが何枚も何枚も撮れたのでございます。

*普段からカメラの連写機能を使っていないので使い方が不明

*ダンスを踊るカニたちはチゴガニ、コメツキガニ、ヤマトオサガニ。(それぞれダンスの仕方が違う/ダンスは縄張り宣言or求愛)

白い手をフリフリしているか、口元にハサミを持っていてモグモグ食べているか……ずっと手を使ってなにかやっています。

森にいたアカテガニと違って、干潟で踊って暮らすカニたちは体の小さなカニです。

干潟の砂地にぽこぽこと空いている穴の直径は、1センチあるかないか、だったと思います。

なので干潟を歩くときは、カニの保護のために仕切られた柵の中に立ち入らないのはもちろんのこと、繊細で小さな体をした彼らをうっかり踏みつけたりしないように、少し神経を使って歩きます〜。

チゴガニたちの干潟から少し離れた場所の、違う干潟にいた、黒い砂地のような模様のカニ。小さな穴にシュバッと逃げ込みますが、そもそも模様が迷彩カモフラージュ系ですでに保護色で守られているはずなのに、よほど用心深いカニなのでしょうね。


ともあれ、今回は干潟が広くてラッキーでした。


木道を湿地へ向かって歩いていると、白いタデの花の周辺でテントウムシが忙しそうにしていました。タデの花に、テントウムシの餌になるようなものを見つけることはできませんでしたが、人間には見えないだけで、そこにはテントウムシを多忙にするなにかがあったのでしょうね。

それにしても、白いタデは風情があってキレイでした。こういうタデなら庭にあってもいいなぁ〜と思ってみたりもして……。

この日は猛暑日でしたが、空の高いところにはいわし雲が浮いていて、タデにイワシ雲に秋の気配を感じました。じきに9月、やっぱり1年は早い。


 小網代の森には、また季節を変えて訪れたいと思います。

(木道で出会ったまったく逃げようとしないシオカラトンボ)

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