こあじろの森を散策2016/08/01 19:54

先週末は小網代(こあじろ)の森へ出かけました。

この原生の森の中では、小さな山から流れ降る川に湿地も並走していて、その川は、潮の満ち干で干潟になる汽水域を経て海へと続きます。

森と海、大自然の営みがそこに凝縮して展開される光景を、見られる貴重な場所・・・このような原生の森はめったに残っているものではないらしく、とても大切に保護されていることが伺えます。(関東唯一とも)

 

ということで、この森の詳細やより専門的な説明は各HPにお譲りして、あまり見られない希少な生きものたちや、原生の森の様子について、プチ観察&体験録を書いてみようと思います。

 

まず、森に入る前に激しい通り雨に見舞われ、1時間ほどのんびり雨宿り。

その急な雨天のおかげで、雨が上がりの空は途中から原始的な青さになり、雨で得した気分になりました。(まだ天気雨がぱらつている最中の木道↓)

雨天から晴れに変化した森の中では、涼しい空気と熱い空気が、目に見えない巨大なリボンのようになって、ゆっくり流れているのを肌で感じることができました。

森は呼吸、凄いな〜。

 

雨が完全に上がってからは、いっせいに虫たたちが飛び回り始め、こんなにたくさん昆虫が周囲を飛び交うのは、幼少の頃に遊んだ森以来といってもいいほどです。

そういえば、まだ砂利道が多く残っていた頃の夏は、こんな風だったと思い出しましたし。

 

ボードウォーク(木道)の周辺に現れた蝶々やカマキリや、トンボetc・・・を相手に道草しながら歩いていると、ちょうどキタテハとシオカラトンボが一緒に撮れたので、それを掲載いたします。(トンボに焦点があっています/蝶々は斜め下の奥に)

 

この小網代の森で特徴的なのは、なんといっても、森の小道や湿地帯、汽水域の干潟にいるいろんな種類のカニたち。

 

たとえば、木道から降りて森の小道を歩かなければならない時は、小さなカニがピューンと足元を横切っていったりするので、踏まないように注意しながら歩いたり・・・。

 

そして、干潟へ行けば“マイ縦穴”のすぐ横でカニダンスを踊る(?)小さなカニ達もいます。

 

そんな今回、森の頂上からやっと汽水域の手前まで降りたあたりで、満ち潮(干潟が消えてカニ踊りも終了)のタイミイングが近づいてきたので、途中から急ぎ足でカニダンス会場に向かいました。

カニたちが皆でいっせいに手を上げては振り下ろす“ウェービング”は、見た目はピコピコしていて笑を誘う可愛らしさ。

ですが、「何かを表現しているのだな?」と思いながら観察していると、ふとカニの熱い血潮的なパワーが伝わってきました。←やっぱり笑えるか

 

参考までに、水色に白い手のカニ(チゴガニ)を写した写真を1枚。

手持ちのカメラの能力が足りない部分は、想像力で補うということで、もし、彼らの踊りをご覧になりたい場合は、《チゴガニ ウェービング》で調べると、ユニークな映像が見つけられると思います。

(他にもチゴガニと一緒にウェービングするカニにコメツキガニとヤマトオサガニがいる)

 

この写真は、希少な植物と案内されているハマカンゾウ。

意外に爽やかなオレンジ色をしているのが魅力的で、もし、この花が群れて咲く様子を見られたら、ずいぶん素敵だろうなと想像させる花の色です。

 

確かに、あまたの生命体の呼吸で溢れかえっている原生の森は、いまどき珍しくて貴重です。

何よりも、当たり前に生命力に満ちた場所からは、ストレートに生命力をもらえるような感覚があります。

だからかな、またこの森を歩きに来るだろう思います。