春は忙しい/ラグ猫 ― 2017/03/14 18:40
今日はラグドールのダン君のお話です。
このところ、明け方近くになってから布団に潜り込んでくることが圧倒的に多くなりました。
きっと、辺りが鎮まりかえる夜になると、野生動物が地べたをひっかく音はよく聞こえてくるのでしょうし、窓からは黒い影がうごめくのも見られて、猫としては外せないイベントが盛りだくさんなのでしょう。
実際、このところは昼夜を問わず、庭には何者かが入れ替わり立ち替わり現れている様子で、方々を掘ったり小突いたり、根っこや葉っぱを引きちぎったりした後が、地面のあちらこちらで見られますので。
そんな最中の、昨夜の出来事をひとつ。
猫ベットにこもってウダウダしていようとも、人間がプリンのフタを剥がす音はよく聞こえると見えて、夜のデザートを食べようとプリンのフタをシャリっとやると、ダン君はネコベットから「にゃぁっ」と出てきました。
お目当ては、プリンのカップにうっすらとこびりついている、卵やら乳製品やらのタンパク成分をチョロチョロなめること。
これが、舐めたかどうかもわからないほどにチビチビやる程度なので、おそらく食欲とはまた違う何かが満たされるからやっているのでしょう。
で、わざわざ起き出してきて、カップのフチをチビチビ。
地味にやっているなと思いつつ、いつものようにカップと猫をしばらく放っていたところが、気づけば、いつの間にかダン君の背中が“勤務中”になっていたのでした。
見ると、肉球でパシッと何かを押さえつけては離す、を繰り返して生きものをおもちゃにしている最中で、運悪くロックオンされていたのは動きの鈍い状態のヤモリ。
冬眠から覚めて間がないでしょうに、さらに活発に動いてまわろうにも、家の中はまだまだじゅうぶんな暖さではなく、そこへとんだ災難が降りかかったわけです。
ともあれ、ヤモリのボヤボヤしているところを、ダン君がパシパシ叩き回すものですから、こちらも咄嗟にレスキュー開始。
なんでもいいからそばにあった容器とサジを手にとり、猫と小競り合いになりながらヤモリをサジでカップの中へと誘導、低体温らしいヤモリの動きの悪さに手こずりました。
プリン風味になったヤモリは、無事(?)に寒いだろう屋外へとリリース。
猫のほうはというと、《どこからともなく現れたヤモリが、プリンのカップにのっていずこかへ去って行った》という風には理解できません。
そんなことよりも、ヤモリと遭遇した場所に並々ならぬこだわりを持ち続け、「ホシは戻って来るはずだ」と、そのあとも現場でしばし張り込みを続けていたのでした。
結局“なんちゃって張り込み”よりも、ヒーターの前でエネルギーチャージにいそしむことに。
この日もリビングの電気が消えると、起き上がって活動を開始。
ラグジュアリーモードはオフ。
夜な夜な、窓から侵入者たちをただ見ているだけに過ぎませんが、春だけに、血と心がとても忙しいのです。
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