孟宗竹の林の中で2019/04/25 16:32

先日、近所の竹林に呼ばれて出かけたときのことです。

狩人になってタケノコを掘りました。(竹林の管理者の許可を得ています)

普段は庭づくりには見向きもしない家族が、先割れスコップを手にしたとたん、我先に竹林へ向かっていってありえないスピードで掘りまくりまして、管理の方が「じゃあボランティアねこれも掘って、これも………」まるでタケを掘るために生まれてきたと言わんばかりの光景を目撃いたしました。

大きくて立派なものをキレイに掘り上げて、グッジョブ。林の中で二番目に大きなサイズのものでしたので、重たかったです。

このあとも、風の谷のナウシカの王蟲の暴走みたく、全てのタケノコを掘り尽くすまで止まらないんじゃ? という具合に勢いつきました。


それに「タケの子は逃げないから慌てなくていいよ」といっても耳に入らないらしく、しかも管理の人までもが、スコップを手にしたとたんプログラムが作動したかのように全自動掘り機と化しまして、同じく、こちらの語りかけが一切耳に入らなくなったご様子。


よくわかりませんが、これは天性の “森の掘り人” の共通点なのかと思い至りました。


ヤマイモやタケノコを掘るのは、なかなか大変です。

けれどもそれが好きな人、または、どうしても反射的に終点まで掘り進まなければ気が済まない人には、大変という概念を超える超概念が備わっているのでしょう、きっと。


たしかに、庭木を相手に、ノコギリ持ってゼーゼーハーハーやっているか、タケノコ相手にシャベル持ってガツガツやっているか、ただ単に対象が違うだけと言えばそうです。


ですが、庭木は生木で切るのはものすごく大変で、決して目の色が変わってハイスピードになることはありません。やっぱり何かが違うような〜。ウッジョブ(日本映画)でチェーンソーを手にして目がランランとなった兄貴なみの目の輝きを見た……ような気がします。


なるほど、庭づくりではまったくアテにできない家族でも、タケノコやヤマイモを掘るとなると天性の才能、もしくは本能が目覚めるわけですね。

でもって、超スピードで見事に掘りあげるので、興味と能力と意欲はリンクしているのだなぁとあらためて感心いたしました。

竹林の中は涼しくて、空気がおいしくて、サワサワと竹が風に揺れる音がして、快適でした。しっとりとした場所にいるうちに、すっかり癒されてリラックスモードになったので、座って人がタケノコを掘るのを見ていました。 掘らずとも じゅうぶん憩える竹林かな

タケノコのひとつは、しばらく前から調子を崩しがちな花友達におすそわけ。なるべく扱いやすいサイズのものを選びましたが、それでも大ぶりでした。


タケノコを見た魚友達は、「実家(近所)の床下から、タタミを突き破ってタケノコが生えてきて穴があいた、竹林は管理していても予測がつかないんだ〜云々」という驚異の竹の話をしてくれました。

タケノコだけでなく、一緒にいろんなものを掘った感じの顛末になりました。

ちなみに、今年はいつまでも春が寒かったので、生育が予想よりもかなり遅れた様子です。そのわりに、生えはじめたらボコボコボコボコ出現、たしかに予測がつきませんね。